Cookie Time

 晴れた昼下がり。気がつくとどこかの駅から、自転車で移動していた。緑は多くないが都会とは言えない狭い道を通っている。メンバーは、私たち中学3年生。仲のいい奴らから話したことのない人たちまで。
 しばらく住宅街を通って、駄菓子屋の角を曲がると、白い壁でひたすらでかい建物がある。学校だ。昇降口から入ると、なぜかすぐベランダに出た。ベランダを廊下がわりに、いくつか教室が並んでいる。うちの中学の2年生の教室の配列と同じだ。
 ただし違うところがひとつ。1組の向こう側に(私は2組)理科室がある。見た目はいつもの理科室。その向こうには、現実と同じ、卓球部室と相談室。
 私たちは、最初は私服だったのになぜか学校指定の緑ジャージまたは制服で、いつもの休み時間を満喫していた。

 ふとベランダに出ると、目の前の高い木に赤い印が付けられていて、そこから下の畑に、噴水のようにスプリンクラーがまかれている。キラキラしてすごくキレイだ。しばらく見とれていると、なぜか外に背を向けてマスターがすぐそこに座っているのに気づいた。

「ねえねえマスター、噴水みたいー。キレイだよー」

 声をかけた直後、水が止む(死

「残念だなあ。ついさっきまで出てたのに」

「ふーん。どこから?」

「あそこー」

「ふーん」

「…………」

 おもしろくないので理科室に遊びにいく。入ったとたん、そこは我が母が経営する小さな学習教室のつくりになっていた。薄暗い元・台所に大きい本棚がある。左側にドア、さらに進むとトイレがある。
 なぜか、るうな嬢と、ろろっけと、おくちゃんと……実際にはこんなに人が入らねェと思うほどの人数が立ち読みしている。
 そのさらに奥、おフロ場の前に、ナゾの低い円柱がある。クッキーを持ってそこに乗ると、自分が思い描いた時代にタイムスリップできるのだ。

 私は何か過去に用事があったようで、緑のドライフルーツのついたココア色のクッキーを持ってワープする。中学校に入学したてのころに飛んだようだ。
 理科室にあったいろんなレバーを動かし、用を終えるとその後ベランダに出てみる。みんな初々しく掃除している。そこで1年の頃のマスターを見つける。さっきと同じ位置に座っていたので、思わず声をかけてしまう。

(あ゙っ! 1年の時、私らお互いに知らないじゃん! しかも「マスター」って呼んじゃったよ! 変だって思われたかなあ)

 でも、なぜかクラス編成は3年のまま。いとーさんに話しかけると、小学校が同じだったのでけっこうすんなり話せる。そして知らないはずのエンジェル神谷に話しかけると、RPGっぽく

「もとの世界に戻る? Yes・No」

と聞かれて、Yesを選ぶと、「現在」の理科室に戻された。

 マスターのところに行って、

「さっき昔のマスターと話しちゃったよ」

と言っても反応なし。ぶーたれて理科室に行く。
 誰かの、双子の娘と息子がいる。ここらへんはドラクエの影響。ただ、ふたりの髪の色が黒い。私はビアンカ派なので、ちょっとむかつく(←ビアンカと結婚すると子供の髪はブロンド。フローラと結婚すると黒
 まあそれはいいとしても、私たちは3人でタイムスリップしたくなった。同じクッキーを持って台に乗ったけれど、立ち読みしていたろろっけがきっつい一言。

「3人が同じ世界を想像してるとは限らないんじゃない?」

 しかも、ふたりはまだ子供だしね、とろろっけは笑って言う。イメージが違えば、確かにまったく違う場所に出てしまう。それは困るので、断念。

 夜になっても、なぜかみんな学校にいる。ふと理科室に入ると、使えないはずのバスルームから、なぜかフロあがりの蒼原の兄くんがクッキーを手にして台に乗っている。

「あんた……そのカッコでどこに何しに行くの」

 と言うと、断念したようで、のそのそ着替える兄くん。何ごともないように立ち読みを続ける面々……。
 そして夜は更けていくのであった。


私の知り合いは脈絡なしに夢に出演してくれます。
そしてDQ5はやるべきです。
中3の頃の夢。
中学時代は今よりもっとトゲトゲしていて。
死だとか、黒いものをいろいろ抱えてた気がする。