venomous spider
天使の羽根がそこにあった。
薄闇に差す白が世界を見下ろしていた。
恋の歌がそこにあった。
名もない想いが少女の夢に雫を落とした。
優しい声がそこにあった。
言葉は体を引き裂く代わりに、果てのある未来を壊し始めた。
全てはあなたの心のままに。
甘い罠の潜む胸の中に。
毒を纏った蜘蛛が見せる幻は、綺麗な愛の形をしていた。
友人の詩サイトにて、久しぶりの創作。
恋は毒蜘蛛。
天使も、神様も、本当のどん底からは眩しすぎて見えない。
痛くて、恐くて、辛いだけ。