スノーホワイト

涙がこぼれ落ちるように
3月の雪は街を白く染め
砂の城を崩すように
そして雪はとけて消えた

幼い頃に抱きしめていた
優しいはずのぬくもりは
今もせつなく胸に残る

時の流れはなぜか
思い出をゆるやかに変えていく
忘れてしまえばいいのに
楽になれるのにね

「さよなら」と言った横顔も
手を振ったその指先も
もうあなたを想えない私さえも
決して嫌いにはなれないもの

戻れないとあの時知っていたら
笑顔でいられたかも知れないね

瞳に映る銀色の雪は
心の中で今も
太陽をきっと待っている
夏が好きで暑さは苦手。
冬はそんなに好きじゃないけど凛とした空気が想像の泉。
この通り、未練たらしい女子高生でした。
仕方ないと思える程度に好きだった。

Photo by (C) RARURU. 北の大地の贈り物