誰かの幸せをそこに見つけては 嬉しい気持ちと 羨ましい気持ちで ふいにうつむいた帰り道 夜空に昨日までの星はなく 風はまだ冷たいのに 手を伸ばせば触れてしまう 軽やかに匂う夏の気配 何もかも変わってゆく 誰もが歩き始める 桜色を敷きつめた階段は 瞬間、表情を変えて… 笑顔と泣き顔の間で せつないようでとても大切で すべてを守っていたいけど ここは道の途中 ずっといてはいけない場所 誰よりも愛しいと 確かにあなたは言ってくれた ここはまだ旅の途中 逢えない日は永遠に似て 涙すら忘れてしまいそうで 遠い朝を待つのなら 進み続ける時の扉を そっと押し開けて 迷いながら戸惑いながら そしてまた明日が来る 分け合えるはずの人がそこに居ないと。 綺麗事じゃないんだ。 そんな単純な法則に気付いたとある春。 |